視察研修 ~大分県の小規模水力発電施設を訪ねて~

佐世保異業種交流協会では会の活性化を目的に、他都市の異業種団体の視察および意見交換を行ってきました。

今回、昨年度に訪問した大分県異業種連携企業会「豊信会」との広域連携を深化させるため、視察研修を実施しましたので報告します。

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今回の視察先は、豊信会の会員企業であるエネフォレスト株式会社(大分市木上394番地12)が取り組まれている小水力発電施設です。

エネフォレスト(株)では九州内で8ヶ所の小水力発電所を稼働させています。農業用水路を利用した小水力発電は「クリーンな再生可能エネルギー」というだけではなく、過疎化・高齢化が進行する農村部において、売電収入を活用することで地域の活性化に大きな貢献を果たしています。

エネフォレスト(株)の発電システムの強みは「小規模」というところです。小水力発電の中でも農業用水路の発電は採算性が小さいケースが多いため、大手の事業者では実現が難しく、そこにビジネスチャンスを見いだしています。

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まず最初に訪れたのは大分県の南西部に位置する竹田市の城原井路発電所(竹田市大字米納)。ここはエネフォレスト(株)が最初に取り組んだ発電所で、国の補助を受けて設置されたものです。既存の農業水路の高低差(8m)を利用し、約25W(標準家庭36世帯分)を発電。事業主体である城原井路土地改良区では毎月30~35万円の売電収入を得ており、ここから近隣の農業用ハウスや保安灯のほか、水路清掃の人件費などをまかなっているとのことでした。

 

 

次に向かったのは城原井路発電所から車で15分ほどの宮ヶ瀬地区。こちらは全所の3倍以上の30mの高低差を利用し、約17W(標準家庭24世帯分)を発電。同地区では多年草の紫草(ムラサキ)による染物が行われており、売電収入は栽培している紫草の栽培や広報活動費などの地域おこしに活用。また、水路施設の維持管理にも利用されています。

  

 

 

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エネフォレスト(株)は設立から10年ほどのベンチャー企業ですが、九州のみならず全国へとビジネスフィールドを広げ、大きな成長を続けています。その成長を支えているのは独自の技術力とビジネスへの着眼点です。これには参加した会員一同、大きな刺激を受け、ビジネスへの気持ちを新たにした視察となりました。

 

視察概要

平成28年度 佐世保異業種交流協会 7月視察研修会

日 程:

平成28年7月23日、24日

視察先:

エネフォレスト株式会社による小規模発電施設(大分県竹田市、豊後大野市)

参加者:

会員11名、事務局1名

主 催:

佐世保異業種交流協会

 



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活動報告

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